2004年6月30日水曜日

日本の農産物は欧米の農産物に較べミネラルが不足しているんだって



最近、寝ているうちに足がよくつるようになった。運動不足のためかと思っていたが、 ほとんど毎晩起こる。家人に相談すると「日本の野菜を食べているからミネラル不足になったのだろう」と。さすがにむっときたが、いわれたミネラル錠剤をの むと、あらあら不思議、一日でまったく足がつらなくなった。ネットで調べてみると、これは常識らしい。

関連サイト:

【healthクリック】なぜ足りない?日本人の「ミネラル不足」事情 

「日本の野菜が危機だ!」 

山でお勉強 

ミネラル不足の野菜 


なんでも火山灰で覆われた日本列島では、岩盤のうえに出来たヨーロッパやアメリカと違い、土壌にミネラルが基本的に少ないのだそうだ。おまけに間違った肥料を長年与え続けてきたこともあるらしい。

日本の農産物は高いうえに栄養不足。なんたることだ。早く中国産の冷凍ホウレンソウが食べたい! (これ農薬があるとかいって輸入禁止になったのか最近見かけない)

ちなみに、足がつるのはカルシウムとマグネシウムが足らないときによく起こるそうだ。これもネットで調べた。


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2004年6月26日土曜日

日経:国の借金、過去最大の703兆円・国民1人当たり550万円……このまま行けばどうなる!



Nikkei.net の記事 。このまま増え続けていったらどうなるのか? マクロ的には大丈夫だろう。国の借金といっても、国債を買っているのはほとんど日本人であり(外人はこんな馬鹿な物を買わない)、いわば日本人同士の金の貸し借りにしか過ぎない。また国家には徴税権という物があるから、返済不能に陥ることもないだろう。だからマクロ経済的には、このまま増え続けていっても大丈夫である。しかし思わぬ落とし穴がある。日本社会の質的変化が起こるのだ。

つまりこういうことだ。現在日本人一人あたり550万円の国の借金があるということは、国民一人あたり550万円の返済義務と利息の支払い義務があるということ。金を貸しているのは国債を保有している別の日本人だから、全体で見ればニュートラルなのだが、国の借金という物は他の借金と違う一つ重要な特徴がある。国は自己破産できないのである。つまり借金を棒引きにする方法がない(インフレという穏やかな棒引き策では債券価格が下がるので有効ではない)。

国債発行残高が増加して行くにつれて、国家税収のかなりの部分は国債償還と利払いに当てられることになる。やがては国税庁が必死で集めた税金のほとんどがそれに回ることになる。それは国内の資産家に支払われる。国税庁が資産家の借金・利息取り立て集金マシーンと化する。

これもまた経済の論理であり、仕方がないことのように見えるが、ここにもちょっと違う点がある。さっき言った国家は自己破産でいないという点だ。すべての貸し付けにはリスクが伴う。だから金利という物がある。資本主義の原点であり、資本家の存在意義はここ(リスクテイク)にある。ところが国債はリスクがないのだ。

とい言うことで、結局、日本は将来的に資本家とは呼べないような機能を果たさない「資産家」と「利息を払う人達(一般納税者)」という二極分化が進行することになるのである。これでは日本の資本主義は機能しない。


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2004年6月17日木曜日

asahi.com: 日本の富裕層、5.8%増え131万人 世界の17%……でも中身はどうなんだろう?



今朝の asahi.com :
大金持ち増加中——。メリルリンチ日本証券が16日に発表した世界の個人資産家に関する報告書による と、03年末時点の日本で不動産をのぞく金融資産を100万ドル(1億1000万円)以上持つ富裕層は前年末より7万2000人(5.8%)増えて131 万2000人。全世界の17%を占めた。報告書によると、全世界の03年末の富裕層は、前年末比50万人(7.5%)増の770万人で、保有資産は同7. 7%増の28兆8000億ドル(約3168兆円)。
ふ〜ん、すごいなあってとこだが、電卓で計算すると何かもの悲しい実情がかいま見える。

この記事では日本の富裕層は人 数だけで、金額が入っていないので、一応世界の平均値をとることとする。一人あたりの金融資産平均は約4億円だ。しかしこれは全くの平均値であり、余り意 味を持たない。市場経済では通常「8対2の法則」といって上位2割の人間が全体の8割を手にするのだ。すなわち全世界の金持ちの内の2割(154万人、内 日本人26万人)が全体の8割(2534兆円)を持っていると考えればいい。上位2割層の一人あたり金融資産平均は16億円程度だ。これが本当のお金持 ち。

残る616万人(内日本人105万人)の小金持ちは、 残りの634兆円に群がっているのだ。一人あたりにすると約1億円強(100万ドル)。メリルリンチのお金持ちの定義の下限すれすれ線にいる人達だ。

1億円でも良いじゃないかと一見思えるが、日本ではこ れを全額個人向け国債に投資しても年間の受け取り収入は70万円程度にしかならない。金利生活者(ランチエ)などとはとても呼べない。スーパーでバイトし た方がいい収入になるぐらいのものだ。

おまけに日本の小金持ちは高齢者が多い。現役時代年収 1000万円の収入があった人が、生活程度を落とさずに老後を送るには、公的年金の他に現金が1億円要るとの試算もある。日本の小金持ちの金 融資産は将来的に食いつぶされていくお金にしか過ぎない。後は何も残らない。

こうやってみてみると、日本の個人金融資産はすごいと か、景気のいい話が多いが、ストックの中身は相当お粗末であると推測される。とても羨ましいと言えるようなものではないようだ。まだまだ日本は、働いてフ ローで(GDPで)頑張らねばならないのである。

2004年6月15日火曜日

〔再録〕永井荷風の生涯』(小門勝二)……小門勝二が嫌いな人もこれを読めば考えが変わるかも


永井荷風の生涯』(小門勝二)……小門勝二が嫌いな人もこれを読めば考えが変わるかも



昨日の神保町。八木書店で荷風 関係の出物はないかと探したが、めぼしいものはなく、結局小門勝二の本を買うこととした。この人の荷風関連の本は、実に多数出ていて、多くは「大したこと ない」というので(坪内祐三なんかは「小門勝二は大嫌い、第一あの顔つきが嫌い」とすら書いているぐらい)、あまり気乗りがしなかったものだが、読んでみ るとなかなか楽しめた。


この『永井荷風の生涯』は昭和 47年に出版された本で、小門勝二のそれまでの5冊の本(『幻の愛人』、『東京の郷愁』、『ふらんす物語夜話』、『荷風耽蕩』)から著者が適宜抽出し一冊 の本としたもの。小門勝二もいい年になったときのもので、それまでの「スケベ親父」的な表現がずっと少なくなっている。というより非常に素直な荷風伝と なっていて好感すら持てた。

例によって、荷風から実際に聞いたとする言葉が無数に 羅列してあるが、あまり不自然じゃない。実際荷風が言った言葉なのであろうと思う。

たとえば、荷風の『冷笑』は荷風にとっての『にっぽん 物語』であり、『あめりか物語』『ふらんす物語』と併せて三部作としていっしょに出版したいという意向を持っていたとか、とても面白い。

その他『祝盃』で井上唖唖が洋食屋の娘とできてしまう くだりがあるが、あれは実際には荷風本人の話だったと荷風が白状しているとか、笑ってしまった。

興味深かったのは、小門勝二が『あめりか物語』のイデ スこそが『濹東綺譚』のお雪であり、荷風にとってのイデスは生涯を通じての女性だったと主張していること。これは散人もまったく同意見であり、わが意を得 たりであった。

小門勝二は荷風を人間として観察すると同時に、荷風の 作品を本当に好きで読んでいる人だ。「すみだ川」「おかめ笹」「つゆのあとさき」は予告編と前編・後編の関係で一つの流れになっているとか、本当に荷風の 作品が好きで没頭してないとなかなかこういう観察はできない。

小生もふくめて、最近の荷風の読者は、どうも磯田光一 や川本三郎など無数のエライ人達のソフィスティケイティッドな荷風論の影響を無意識に受けているためか、理屈で荷風を理解する人が多い。荷風文学は都市景 観の文学であるとか。その方が何となく知的なのだが、親鸞をプロテスタントに見立てるハイカラ仏教観と同じもので、理屈に過ぎるのかも知れない。もう一度 初心に戻って、荷風の「小説」を理屈抜きに読み直してみたいと思った。


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Posted: Tue - June 15, 2004 at 05:21 PM   Letter from Yochomachi   永井荷風       Comments (8) 

コメ消費が9カ月連続で前年割れ 4月、平均4.9キロ……そりゃそうだろう、誰でもボラれるのは、嫌だもんね



asahi.comの記事 。掲示板に寄せられた情報によると、100グラムあたりのコメの値段は、鶏肉の値段よりも高いという。世界一の圧倒的な高価格だ。そんなもんを、政府は一生懸命「バランスある食事を」という理屈で国民に食べさせようとしている。国内の利権擁護のためだ。みんな食べ慣れた食品だから、高くても否応なしに食べ続けている。でも、いくら何でもやり過ぎであった。日本国民も、ようやくそのことに気がつき始めた。

日本は世界的に税金が安い国であると政府は強引に主張しているが、トンでもない。コメに代表される食料品価格の世界水準から見て異常な高価格は、見えない税金として日本国民に科されている税金なのである。これを考慮すると、日本国民は世界で一番税金が高く、一番政府から収奪されている国民といえる。だから名目的な高所得水準にも拘わらず、国民の生活水準は、はっきり言って、世界平均から比べても貧しいのだ。先進国でも一番の貧乏国民である。認めたくない気持ちは分かるけれど、実際に購買力平価で見た一人あたり可処分所得ではそうなのだからしかたがない。

どうしてそんなことになるのか? それを許しているのは当然国内の強力な利権集団の存在と、「食品の安全」などといって、全農中等の利権集団の尻馬に乗って国際的に妥当な価格の食品の輸入を妨げることで、自分で自分の首を絞めているある種の「市民団体」の活動である。世界でも一番生産性の低い部類に入る日本の農水業業を、そのまま生産性の低い状態で、みんなして支えていくためのコストを払おうというのであるから、当然食品価格は高くなり、みんなの生活は貧しくなる。当たり前のことだ。

でも、そろそろ賢明な国民は自衛策をとりはじめている。当然のことだ。国際価格の十倍に達する国産米を、何時までも国民はだまされて食べ続けると思うのは、正直、甘い。「コメを食べるのは日本の文化だ」なぞといって、お上が無理やり国民に高いものを押しつけようとしても、経済合理性にそぐわないものは通用しないのである。

みんなでこの調子で、高いものは買わないという「草の根」抗議運動を続けることで、はじめて日本の農水産物の価格は国際水準に収斂し安くなっていくのではないか。日本の消費者、頑張れ!



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2004年6月6日日曜日

「米国では(高齢者の)おむつをはずせる手術があります」(高柳和江助教授)



さっきのエントリーで、あまり長生きしたくないと書いたが、それは「人間の尊厳」を失いたくないから。その尊厳喪失の最たるものは、やっぱり「おむつ」。ところがおむつをはずせる手術があると日本医科大学の高柳助教授が書いておられる。

今朝の日経の医療欄。何でも米国では十年以上前から行われている手術らしい。日本でも青梅市立総合病院で米国から医師を呼んで十年前からやられているそうだ。ところが日本の主治医や看護師は「失禁では死なない」などといってこの手術には消極的とのこと。

個人的には、尊厳を失って長生きするぐらいなら死んだ方がまし。単なる延命医療ではない、老人個人の生活の質を高めるための医療が望まれているのではないか。